緑の中の南禅寺(4)南禅院

さて、この日わしが最も感銘を受けたのは、塔頭のひとつ「南禅院」であった。
南禅寺の南禅院・・・なんか紛らわしいのであるが、「別院」という扱いで、亀山上皇の離宮跡だったという。
建物などは、元禄時代に徳川綱吉の母・桂昌院が再興したんだそうだ。

しかし、庭園は亀山上皇の離宮当時の面影を残している。そして深山に抱かれ、自然と一体化した雰囲気が凄いのである。鴨のつがいなんぞがこうしてのんびり池にいるのだ。

池には、ちょうど睡蓮が咲いていた。(だいぶ時間が経ってしまいましたが6月末だったのです)
だが、その背景たる山のそそり立つ緑の迫力に、息を呑む。
離宮当時、あまりの鄙びた山中の生活に、女官たちは恐れをなし寂しがったという話だが、無理もない。

遊歩道を回遊していくと、山肌に石で滝が組まれていた。ここまで山の気配が濃いと、一種凄愴な感じがあるような。

とどめは、池のほとりの楓の樹に、モリアオガエルの卵塊が幾つも産み付けられていたこと。写真を良く見ると、おたまじゃくしのような影さえ見える。豊かな自然に囲まれている証拠であった。
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