2009.02.27

京都府立図書館・2

では、京都府立図書館について、引き続き語ろう。

0071
左京区岡崎で、平安神宮、京都会館、京都市勧業館みやこめっせ、京都市美術館と、巨大な施設が並ぶ中では、府立図書館は目立たないほうだった。
しかし、旧建物の前面をそのまま残して、後ろにガラス張りビルをくっつけた今の建物は、結構異様で目を引くかもしれない。新建物が竣工したのは2000年のことだから、もう10年近く前なのだけれど。

0091
老朽化に加えて、阪神淡路大震災で被害を蒙ったのが、立て直す理由だったそうだ。
そして、府立総合資料館からの資料の引っ越しなどで、蔵書はかつてとは比較にならないほど充実。
なんと、今は150万冊もあるのだという。
うちわけは、一般開架書架に、  約10万冊
       自動化書庫に、    約40万冊
       電動積層集密書庫に 約100万冊

「電動積層集密書庫」・・・なんともすごそうなモノだな・・・
1階と地下1階が閲覧室で、地下2階が巨大な書庫。2階にはマルチメディア閲覧室があって、インターネットやDVD、VHS,CD、カセット、CD-ROM、新聞マイクロフィルムや縮刷版なども見れるという。
閲覧室は、ゆったりしていて、座席も多くあり、わしも大判画集など見てまいりました。

0101
わしがここによく通ったのは、およそ30年前の1年間である。
初めて京都へ来ての下宿生活。学生アパートの部屋は、夏となると蒸し風呂もいいところで、たまらず脱出しては入り浸っていたのだった。
ここも、エアコンはなかったけれど、高い天井、広い窓の洋館はとても風通しがよく、勉強がはかどった・・・と思う(^^;)。
とにかく、建物の雰囲気が、とても好きだった。内部の木造部分の情趣は、もう、わしの記憶にしかないけれど、上の写真の石造りの階段や、その下の入口の風情など、残してくれて本当に嬉しいのです。

0112
ちなみに、この写真の、窓の上にくっついている飾りは、「キー・ストーン」と呼ぶそうだ。
たしかにこうして斜めから見ると、鍵の形をしている。通ってた頃はもちろん、そんなことに気付かなかったけれど
こういう繊細で洒落た装飾が、なんともいえない建物の魅力を醸し出していたのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.02.20

京都府立図書館

0021

京都市左京区岡崎には、文化施設が立ち並んでいるのだが、その一つに、京都府立図書館がある。
上の写真の右に映っているのが、その北側側面。

ここは、わしが京都に住むようになった最初の年に、よく利用したのであった。
1909年(明治42)に建てられた当時の建物が、まだそのままで、煉瓦造りの古雅な雰囲気、内部のアールヌーヴォーの調度品など、知識はないままに「ここは理想的な洋風建築の図書館や」と大好きになった。

今、この建物を調べてみれば、明治から大正、昭和にかけて、日本建築界に大きな足跡を残した、武田五一の設計である。この人は京都高等工芸学校(のちの京都工業繊維大学)や、京都帝国大学で多くの個性的な建築家を育てた偉大な教育者でもあったそうだ。
京都でこの人の設計した建物は、京都市役所本館とか、京都大学建築学教室本館とか、順正・清水店とか数多く残っており、この岡崎には府立図書館のほか、藤井斉成会有鄰館という面白い建物がある。

しかし、その煉瓦造りの府立図書館は、さすがに老朽化して使いづらくなり、今はコンクリート造りに建て直されてしまっている。
それでも、旧建築の正面の外観は保存されていて嬉しい。
その写真、撮り忘れたので、またこんど、紹介します。

0011
ちなみに、この写真は、府立図書館北側の小さな公園に、図書館に背を向けて建っている記念碑である。
顕彰されているのは、江戸時代末期から明治時代にかけ、佐賀藩や日本政府や京都府に雇われて、文明開化のために貢献した、ゴッドフリード・ワグネルという人。いわゆる「お雇い外国人」のひとり。

この人、内気で地味な性格だった割に、結構波乱万丈な人生だったようだ。
経歴を書くだけで膨大になるので、京都関係のものだけ記すと、
京都府に雇われて「舎密(せいみ)局」で化学の講義や、陶磁器工芸の指導にあたり、清水焼や七宝の技術向上に貢献したほか、島津製作所の創業者の恩師でもあるらしい。
京都にいた時期は短かったらしいけれど、京都にとっては忘れられない恩人のひとりなのだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008.02.25

雪の平等院

0171
雪の降りしきる中、2月23、24と大学時代の友人たちと、毎年恒例一泊の旅行と言うか、飲み会。
今年は宇治でやったので、わしは23日夕方から参加。
そして翌朝、朝飯を済ませて歩いて平等院を参詣しました。

0141
なにしろ、中学のときに修学旅行で訪れて以来です。
門にも何の見覚えもありません。

0151
つい最近まで、修復を続けていた平等院。鳳凰堂前の池が、小石を敷いた州浜となっているのも創建当初の復元だそうで、景観はずいぶん変わったとか。

0181
硬貨に刻まれたように鳳凰堂を観ようと、みんなあちこち角度を変えるのですが、なかなか同じアングルで写真を撮るのは難しい。
堂内の阿弥陀如来は、阿字池越しに、お顔だけ望めるように窓が開いているのだけれど、降りしきる雪でほとんど見えません。

0241
屋根の上の鳳凰一対は、青銅の色が新しいレプリカです。
本物は、この横に新しく作られたミュージアム「鳳翔館」にありました。
で、このミュージアムがとても充実していて、わしの大好きな「雲中供養菩薩」が半分くらい、こっちに展示されており、可愛いほとけたちを間近に見れて嬉しかった。
ミュージアムショップに雲中供養菩薩写真集があったので迷わず買いました。

0261
1053年に建てられ、長い歳月、兵火をも潜り抜けてきた鳳凰堂は、でも、華麗で軽快なデザイン。極彩色に輝いていた頃はさぞかし、天に飛び立つようだったでしょう。


| | コメント (9) | トラックバック (0)

2007.10.11

修理中・八坂神社西楼門

0201

10月7日、夕暮れに、旧友と三条京阪で待ち合わせていたので、バスに乗って祇園を通った。
まだ、八坂さんの西楼門は修理中。でもこの秋に竣工の予定と書いてある。
この赤い門がしゃんと見えないと、どうも祇園の景色が締まらない。
それにしても、祇園から渋滞でバスが動かなくなり、四条京阪に着くまでに20分もかかったのは計算外。

この日の京都は、連休最中のせいか、ものすごい人出に思えた。
用事で午後3時ごろ、岡崎を車で通過しようとしたのだが、身動き取れなくなってかなり迂回を強いられた。
そして夜は、友人ふたりと木屋町の焼き鳥屋、寺町のバー、などで飲んだのだが、「今日はどんな隅っこ行っても東京弁が聞こえるなあ」と驚いたものである。

紅葉のころには、西楼門、艶やかな姿を見せるのだろうか?

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007.02.10

山科の毘沙門堂

Bishamonume
山科盆地の北辺を走る琵琶湖疏水は桜の名所でもあります。そこからさらに北へ登ると、枝垂桜で知られる毘沙門堂がひっそりとあり、今はその枝垂桜の横で、一本の白梅が香気高く咲いています。

070207_0141
JR山科駅から、ほぼ真北へ住宅街を抜け、坂道を登り、疏水を越えてさらに一キロくらいでしょうか。
木立に囲まれ、仁王門に向かう急な石段がそそり立ってます。

070207_0151
途中に、ヤマモモの古木がねじれてそびえたち、仁王門を守護するかのように枝を張ってます。

070207_0171
門も本堂も寛文年間の建立で、日光東照宮に通じる極彩色の装飾・・・だそうですが、今は色褪せてそれほど派手でなく、静かな山科の山際にたたずむ古刹です。

070207_0221
護法山出雲寺、というのが正式な名前だそうですが、ご本尊が毘沙門天なので、毘沙門堂と呼ばれるとのこと。
枝垂桜や梅は、本堂でなくて、宸殿(寝殿なのかな?)という建物の前にあり、そのさらに前に勅使門というのがありまして、この門から枝垂桜を撮るのが写真の定番のようです。

070207_0271
本堂をよく見ると、確かに彫刻や色の装飾はかつての華やかさを偲ばせますな。
ちなみに、本堂で毘沙門天を拝むのは無料ですが、庭園や本堂の後ろに続く霊殿の「動く襖絵」とやらを見るには500円の拝観料が必要。どうしようか迷いましたが、わし一人で拝観するのにお寺の方を煩わせるのは申し訳なく、桜の季節にでもまた・・・と今回はパス(苦笑)

070207_0311
境内案内図ですが、赤線で印したところに樹齢百数十年の大きな枝垂桜があり、春が待たれます。

070207_0041
ちなみに、この日2月7日、山科の琵琶湖疏水はほとんど水を抜いて工事中。コンクリートの水路が日に曝されていました。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2007.01.23

冬の知恩院

07sinnen_0341
智積院に詣でた日、実はその足で引き続き、知恩院も参詣していたのだが、どうも疲れが溜まっていてblog更新も出来ぬまま日が過ぎた。

07sinnen_0331
知恩院は浄土宗の総本山で、華頂山知恩教院大谷寺が正式名だそうだ。
その「華頂山」の額を掲げた巨大な三門がなんと言うても圧倒的である。高さ24メートル、幅50メートルもあり、世界最大級の木造建築のひとつ。
京都の風景としては強く印象に残るもので、わしも小説「残光」の冒頭で使わせてもろとります。

07sinnen_0351
今は、夜になると門のまえにある柵が閉められてしまうんやけど、わしが京都に来た頃は、夜でも開放されていて、この巨大な柱にもたれ、月光を仰ぎながら女友達と話し込んだこともあったのだった。

07sinnen_0491
この日、初めて有料の方丈庭園を拝観した。
ちょっと驚いたのは、埋蔵文化財の調査をしているさなかで、池の一つが水を抜かれていたこと。池中の島をなす大岩が、御覧のように水上の苔、水中の地肌とくっきりわかるように曝されていた。

07sinnen_0521
そして、今まで知らなかった、「山亭」という高みにある建物にまで登らせていただいたのだが、その庭からは思いもかけず京都市街の眺望が楽しめたのである。
まだまだ、わしの知らぬ京都は限りなくあるのだ。

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2006.11.18

金戒光明寺=黒谷さんの三門

061117kuro_0101
日頃は登らせてもらえない、三門の楼上を見せてもらえるというので、左京区の金戒光明寺、通称黒谷さんへ行ってみた。

061117kuro_0061
特別拝観というので団体さんも来ていたが、いつもよりはかなり人が多い、というくらいか。

061117kuro_0141
行列があるほどでもなく、楼門の足元に紅白の幕が張ってあるので、ああここが入り口なんだなとわかる。

061117kuro_0151
何しろ幕末に会津藩本陣となったここは、幕府方の軍事拠点。楼門はその見張り台となったわけで、やたらといかめしいのである。

061117kuro_0031
お寺の入り口にある門の付近がもっと城塞っぽくて、石垣などの勾配はお城そのもの。ただしそんなに高くはありません。

061117kuro_0081
楼の上から見た景色は素晴らしいものだった。
が、写真撮影は一切禁止!
建物の中はともかく、外の景色くらいええやんかと思うが、それを許すときりがないのだろうな・・・
西には御所、南には都ホテルや八坂神社、八坂の塔、南西方向に視界が開けて、平安神宮の鳥居も京都会館も目の下。
黒谷さん、というてもここは谷ではなくて小高い丘である。
じゃあ、なんで黒谷なのかというと、念仏道場としてこのお寺を開いた法然が修行した、比叡山の地名に由来するのだという。

楼内には釈迦三尊像、十六羅漢像がおわしましたほか、天井には墨絵の巨大な龍がおった。なかなかの迫力だが、震えがくるようなほどではない。達者な絵ではあったけれど。
上り下りする梯子のような階段と、楼の上に到着する直前の狭い回廊がとても印象的。物凄い急勾配で、普段の生活では味わえないドキドキ感を満喫できます(^^;)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006.10.28

「ねじりまんぽ」という奇妙な空間

Nejirimanpo

左京区の南禅寺や都ホテルの近く、「蹴上」というなんやら物騒な地名の場所に、この「ねじりまんぽ」という奇妙な物件がある。
琵琶湖疏水の「インクライン」は、春には桜の名所であるが、この「ねじりまんぽ」はその傾斜軌道の下をくぐるトンネルなのである。

「ねじりまんぽ」とは、煉瓦をねじって積んで作る、アーチ構造のことで、この場合、インクラインと下をくぐるトンネルが直角に交わっていないため、下から少しずつ斜めにずらして煉瓦を積んで行き、トンネル最上部でインクラインと煉瓦が直交するようにして上からの重さを支える工法らしい。

で、国内に現存が確認されているねじりまんぽは25箇所くらいあるらしいのだが、この琵琶湖疏水インクライン下に設けられた一か所以外は、すべて鉄道関係の構造物だそうだ。

単なるトンネルと思って、昔は気にも留めずに通っていたのだが、この「ねじりまんぽ」という名前を案内板で見つけてから、「へえ~」と思った。とりわけ、夜に覗くと不思議な感覚に陥る。
ここを抜けたら、時空を超えたりして・・・などと想像してしまうのは、大昔「タイムトンネル」というテレビのSF番組を見ていた名残かな(笑)。

| | コメント (13) | トラックバック (1)

2006.09.15

初秋・雨の京都駅

帰省などの夏休み行事に追われ、小説書きにも(主観的には)励んでいて、しばらく京都の文物景色を見ることがありませんでした。
13日、決意して出かけた京都らしい場所は・・・京都駅。

Amenoeki_0081
雨に霞む京都タワー

Amenoeki_0091
ひとっこひとりいない空中経路

Amenoeki_0111
北山も東山すらもおぼろ

Amenoeki_0061
いつも誰かが座っている大階段も、雨に濡れているだけ


Amenoeki_0191
涼やかになった構内、でも活気は途絶えていません。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006.06.06

京都駅大階段の熱気

Kyotoeki_0041
日曜日、家族と伊勢丹デパートに行き、ちょっと大階段のほうへ散歩に出たら、そこは常にない熱気が溢れておりました。

Kyotoeki_0031
高校のブラスバンドの大会?が行われていたらしく、室町小路広場をステージにして、吹き上がる金管楽器の響きが、駅構内を駆け巡ります。

Kyotoeki_0111
大階段はこういう風に、観客席として使われることがしばしば。青空も見えて気分の良いイベント場所なんですが、階段は固いからお尻が痛いかな。雨が降るとあかんしね(笑)
でも、こういう活気のある駅の風景はとても好きです。

Kyotoeki_0051
ステージとなる室町小路広場は、こんな感じで頭上はるかに天井があり、その高さがなんだか崇高。祝祭空間としてふさわしいなあと思うのです。

| | コメント (8) | トラックバック (1)