京都案内本の真贋
京都ブーム、「京都検定」人気の余波、いろいろあって、書店の「京都コーナー」はどんどん本が増えていくようである。
わしが京都に来て、ともかく京都のことを知らねばと思って買った本の一つが
岩波新書・青版の「京都」で、林屋辰三郎先生の名著である。
1962年に第一刷が発行されて以来、版を重ねて今に至るも読み継がれている。
その冒頭を引く。
「 御池
京都は、神泉苑からうまれた。そういっても京都をおとずれる人々に、神泉苑の名はあまり耳なれたものではなかろう。いや京都に住む人々にも、このごろはさほど関心をもたれてはいない。しかし御池といえば、京都を知る人なら誰でも知っているはずである。その通りには京都市民のための市役所もあれば、京都訪問客のための著名なホテルもある。そのうえ戦後、疎開跡を利用して道幅をひろげてからは、祇園会の山鉾巡行路ともなって、一躍その名を高めた。」
さて、次に引用する文章は、2004年10月に発行された、京都を案内する本の一節である。
「 神泉苑
京都のルーツ
京都は神泉苑から生まれた。そういわれても神泉苑の名は余り耳慣れないものかもしれない。しかし「御池」といえば、京都の人なら誰でも知っているに違いない。単に御池と呼ばれ、古来親しまれてきた名園である。二条、三条といった京都洛中の大路の真ん中にあるのが御池通で、戦後は祗園祭りの山鉾巡航路となって一躍その名を高めた。」
一目瞭然、ほとんどそのまんまパクリである。
しかも、よく知られた名著の冒頭をいただくという大胆不敵さ!
わしは呆れ果てたのであるが、ふとわが身を振り返って思うところがあった。
わしも、京都の案内をブログに載せている。寺社や名所の由来などを綴るとき、先人の著作を参考にするのは当然である。
そのとき、データを引く程度なら許されるであろうが、文章をそのまま盗み、あるいはあちこちから切り取ってきてつぎはぎして、自分の創作のように披露し、得意になっていないか?
固く自戒せねばならぬと思った。
京都の名所案内の本は、江戸時代から沢山出ていて、一つヒット作が出るとその海賊版みたいなものが続々と出たようである。
現代は手軽なガイドブックや地図を兼ねたムック本、イラスト本から、花の名所や美術や骨董や庭園やらの専門的な案内書まで、百花繚乱状態。
インターネットのHP、そしてblogもまた京都関係のものがたくさんある。
わしのblogなどは偏向がはなはだしく、忸怩たるモノではあるが、限りなく良心的でありたいと思う。
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