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2009.07.08

祇園祭と八坂神社・7 綾傘鉾稚児社参

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「祇園祭と八坂神社」の記事を連載しているが、実は前を通ることは多々あっても、このところ、お参りはできていなかったのである。
七月七日、久しぶりに参拝できた。

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この日は、「綾傘鉾稚児社参」が午後2時半から行われるとのことだった。
残念ながらそれまで待つことができず、その姿を見ることはできなかったけれど。

祇園祭における「稚児」とはなんだろう。

まず祭礼全般において「稚児」は、美しく装い、化粧して参列する子どもである。
幼童は汚れない存在で、神に近いという認識が古来あり、祭礼に際して、神が降臨する「よりまし」となったり、神に供奉する清浄なしもべとしてふさわしいと考えられたのであろう。

祇園祭には、いくつかの「稚児」がある。
もっとも有名なのは、長刀鉾に乗る稚児だ。
これは、「鉾稚児」で、かつては、船鉾以外のすべての鉾に生身の稚児=「生き稚児」が乗っていたそうだが、現在は長刀鉾にだけ乗る。ほかは人形が乗るのである。

長刀鉾の稚児は、補佐を務める「禿(かむろ)」二人とともに、毎年町衆の家から選ばれる。
まず、7月1日、「長刀鉾町お千度(せんど)」という神事で、禿や鉾町の役員たちと八坂神社に詣で、本殿を右回りに3周して昇殿参拝。
そして13日午前に「稚児社参」でまた昇殿すると、このときに「五位少将・十万石大名」の格式を授かるのである。

次に「綾傘鉾稚児」だが、これは、綾傘鉾に乗るわけではない。綾傘鉾を先導する役で、6人いるのだそうだ。
7日の社参では、宮司から「宣状書」を授かり、やはり「お千度」で本殿を3周するのがきまり。
そもそも、「綾傘鉾」は、山鉾の中でも特に異例の形状をしている。
簡単な台車のうえに、直径2,36メートル、傘の長柄3メートルの傘を乗っけている。(ちゃんとたためる傘だそうだ)
しかも、同じ形のものがなんと2基ある。
この大型の傘を、正副6人の稚児と棒振り踊りの踊り手たちが先導するのである。
今宮神社の「やすらい祭」や上賀茂神社の「さんやれ祭」の「風流傘」の系譜を引く形だそうで、古い祇園御霊会(ごりょうえ)の祭礼行列も、この綾傘鉾のようなものだったと推測されている。

さらにもう一種類、「久世駒形稚児」というものがある。
これは、南区久世にある「綾戸国中神社」の神さまのお使いなのだ。
八坂神社の祇園祭に、なんでまたそんなところの神さまのお使いが?とややこしいが、この「綾戸国中神社」は、八坂神社の祭神と同じ「スサノヲノミコト」を祀っていて、八坂神社のスサノヲノミコトが、「和御魂(にぎみたま)」であるのに対し、綾戸国中神社のは「荒御魂(あらみたま)」で、二つが合体しないと、祇園祭は始まらないという考え方から、久世の地から荒御魂を招くのである。
「久世駒形稚児」の「駒形」というのは、稚児が胸の前にご神体である木彫りの馬頭を付けるところからきているそうだ。そして、ご神体を身につけ、馬にまたがった久世駒形稚児は、「神」そのものとなるのだ。
7月13日、長刀鉾の稚児社参と同じ日の午後、久世駒形稚児も、社参を行うが、長刀鉾稚児が八坂神社境内では馬から降りるのに、久世駒形稚児は、騎乗のままだという。その後、17日の神幸祭、24日の還幸祭にも、神輿行列に加わる。

巡行の発端に、刀で注連縄を断ち切る長刀鉾稚児もかっこいいけど、その長刀鉾稚児すら下馬する八坂神社境内に、颯爽と馬上で乗り込む久世駒形稚児も、凛々しいなあ。
稚児に選ばれると、家の出費は大変だし、本人も精進潔斎でしんどいやろけど、祇園祭のスーパーヒーローになれるんやから、そらもう、一生の思い出やろ。

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