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2005.10.09

矢沢宰詩集「光る砂漠」より

sihen-5

光る砂漠

   そして終わりに
     (一)
いい人になってください。
幸せになってください。

私だってあなたに負けないぐらい
いい人になります。
幸せになります。

     (二)
しかし
私は予感していた。
首飾りをした美しい
あなたが
黙って椅子にかけていた と。
とおい国を想っていた と。

     (三)
秋の日の中で
あなたと会う約束はもうはたせない。
風は泣くだろう。
野菊は飛行機雲を見あげないだろう。

     (四)
俺が悪かったな
欲情な言葉
愚劣な行為
俺が悪かったな
悪いことをした
利己主義だった

     (五)
よくわかった。
私はよくわかった。
私はまだやれる。
私はやってみせる。
そしていつかきっと帰ってくる。

     (六)
それでも秋の夕暮れに淋しいときは
夏の日のよみがえる想いを許してください。


☆作者・矢沢宰(おさむ)について
1944年、中国江蘇省で生まれる。父の現地応召で日本に引き上げるが、小学校二年にして腎結核を発病。
療養生活を繰り返し、新潟県立三条結核病院小児科に入院。14歳から詩や日記を書き始める。
病を克服し、新潟県立栃尾高校に入学するが、2年生で結核を再発。1966年、21歳の若さで永眠。
詳しい年譜や詩・日記などの遺稿は、こちらで見れます

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