« 随想・祇園祭 その弐 | トップページ | これも祭りの景色 »

2005.07.07

随想・祇園祭 その参

幻の映画「祇園祭」
kodaiji77_0231 先に紹介した小説「祇園祭」は、映画化され、1968年11月に公開された。
 しかし、企画からそこに至るまで7年もかかり、様々な紆余曲折と困難が伴ったのである。
 詳しいことは、「猟さんのシネエッセイ」「数奇な運命に翻弄された『祇園祭』」で知ることが出来た。
 東映の時代劇スターだった中村錦之助(後の萬屋錦之助)が主演し、また彼自身が、自主制作組織「日本映画復興協会」の陣頭に立って作り上げた力作である。わしはまだ見たことがないのだが、原作の力強いストーリーをほぼそのままに、超豪華な配役が揃っていて、「間違いなく傑作と呼べる作品」と綴る「猟さん」の言葉に頷ける。

 時代劇からやくざ映画路線に変わろうとする東映と役者魂をかけて戦っていた当時の錦之助は、この作品でそれまでのチャンバラ・アイドルから脱皮を遂げたと言われる。さらに共演は「七人の侍」で日本映画の金字塔たる演技を見せた三船敏郎、志村喬、物凄い美貌だったと聞く若き日の岩下志麻、もうそれだけでも、「見たい!」と思わせるのだが、ビデオにもDVDにもなっていないらしい。テレビで上映されたというのも聞いたことがない。幻の映画となってしまっているのは、痛恨の限りだ。
 しかし、唯一見れるのが、京都文化博物館の映像ホールで、毎年祇園祭の頃に上映されるのである
 残念ながら、今年もわしはそれを見に行けないのだが(;;)

 京都が「映画の都」と言われた時代もあった。「東映太秦映画村」や「大映通り」にその栄華の名残がある。市川雷蔵や、錦ちゃんと呼ばれて愛された中村錦之助が闊歩していた頃の京都は、どんな風だっただろうと、わしは思いを馳せるのである。

 早世した雷蔵はもちろん、西口克己も、萬屋錦之助も今は故人である。それでも、祇園囃子は彼らの聴いたものと同じ音色を奏でる。そして、残された小説には熱い情熱が脈打ち、フィルムに躍動するスターのきらめくオーラは、これからも沢山の人々を魅了し続けるだろう。

|

« 随想・祇園祭 その弐 | トップページ | これも祭りの景色 »

コメント

ブログ開設おめでとうございます!

アクセス数を上げるために当コミュニティサイトに登録しませんか?
http://profile.zmapple.com/cgi-bin/profile.cgi
より多くのひとに貴方のブログを見てもらえます。

参加するにはこちらからが便利です
http://profile.zmapple.com/cgi-bin/profile.cgi?mode=edit&title=dragon%2Dtail&address=http%3A%2F%2Fryu3%2Ecocolog%2Dnifty%2Ecom%2F


お問い合わせはコチラから
http://profile.zmapple.com/cgi-bin/fmail/cmfmail.cgi

投稿: みんなのプロフィール | 2005.07.07 07:42

いい情報をありがとうございます。
京都文化博物館へも行きたいので映画見てこようかと思います。
涼しくていいですね。

京都を舞台にした小説、映画 興味あります。
ついでに サスペンスも見てしまいます。

投稿: yume | 2005.07.07 21:30

yumeさん、京都文化博物館の映像ホールの上映作品、結構いいラインナップですよね。行きたいですよ、ほんまに。

サスペンスも、たしかに、結構見てしまいます、わしも。知っている景色が出ると、妙に嬉しかったりしますね。

投稿: 龍3 | 2005.07.08 02:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/20826/4861730

この記事へのトラックバック一覧です: 随想・祇園祭 その参:

» 映画に見る京 =描かれた町衆文化と生活= 於 京都文化博物館 [yume_cafe]
 京都文化博物館で今月見せて頂けるという 「◇映画に見る京 描かれた町衆の文化と生活」  仕事が終わってすぐバスに乗りました。少し遅れてもいい、見たい。  15分位遅れて中に入ると、もう満員。静かにみなさん見に行っておられました。姿勢を正す音を出すのもためらわれるほどですぐに私も動きを止めました。  今日の映画は「西陣の姉妹」  全盛を誇っていた西陣の町がかげってきた時代のお話でした。1952年と言えば昭和27年。早くも着物産業に危機が訪れていたのでしょうか? 織本が廃業にお... [続きを読む]

受信: 2005.07.09 21:28

« 随想・祇園祭 その弐 | トップページ | これも祭りの景色 »