東本願寺
京都駅を出て、ほんの目と鼻の先にある、広大なお寺が、真宗大谷派本願寺=東本願寺である。
烏丸通に面して堀があって、白い睡蓮の花が咲いていたが、人目を引くほどではない。
なんと言ってもここで目を見晴らされるのは、伽藍の巨大さだ。振り仰ぐ御影堂門は天を突かんばかりである。
伽藍の中心をなす御影堂(大師堂)は、世界最大級の木造建築であるが、現在、御覧の通り大修復中。2011年の親鸞聖人750回忌に向け、2008年末に竣工を予定しているそうだ。(西本願寺の御影堂も同様である)
西本願寺や興正寺については、巨樹や梅花などをとりあげたことがある。だが、『京都案内」として取り上げた寺社で、宗教に関して触れた事はほとんどない。しかし、今回はあえて書いてみたい。
東本願寺も含め、浄土真宗のお寺は観光臭が薄く、今も信仰が強く息づいている印象を受ける。東も西も、信仰や教義について説くパンフレットや書籍が、他の寺院とは比べ物にならないほど充実していると思う。
そして、その内容は、鋭く宗教の核心を突いて、瞠目させられるのである。
「『五代前の先祖がたたっていますよ』と言われると、ドキッとする人は多いかもしれません。しかし『亡くなったお母さんがたたっていますよ』と言われればどうでしょう。ほとんどの人は、『私のお母さんはそんな人ではありません』と怒り出すのではないでしょうか。つまり、先祖が迷っているとか、祟っているというのは、亡くなった人のことをはっきりと受け止められていない私たちの心のすき間につけ込んでくるものなのです。そして、ほとんどの場合、それにはお金がからんでいます。(中略)亡くなった人は、自らの身をもって、人は必ず命を終えていかねばならないということを教えてくれています。限りある人生をどのように生きるかと呼びかけているのです。(後略)」(大谷大学助教授・一楽真)
・・・東本願寺の総合案内所に置かれていた『真宗本廟教化リーフレット」より
「浄土真宗では、霊や魂といったことは申しません。名前を書いた木の板に、あなたの大切な家族や親しい方がたの魂が宿るなどと、本当に考えられるものでしょうか。(中略)絶対にお仏壇の中に位牌を置かない、という努力をしていただきたいと思います。でなければ、位牌を通じての霊魂崇拝、死者儀礼的なものが中心となって、お釈迦さま、親鸞さまの教えとまったくかけ離れた形になってしまうからです。」
・・・西本願寺の「ブックレット基幹運動No.11 真宗の葬儀」より
巨大な伽藍も、決して人を威圧するために作られたものではなく、多くの人々の信仰が集まった、祈りの形なのだろう。
広い境内の隅で、巨樹の根方に、黒猫が憩っていた。
どこから来て、どこへ行くのか、どう生きていくのが本物なのか、まだわかりはしないけれど、
猫もわしも、地球に生きる同朋・・・そんな風に思った。
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コメント
お写真いつも楽しみにしています。私にとって懐かしさの中にも新鮮さがある光景なので。
あ、今、勝手にリンクさせていただきましたがご了承ください。私のとこのは別にリンクしてくださらなくてもいいです。
投稿: 遠野 | 2005.06.11 17:06
東本願寺は駅前に近すぎて改めて訪ねることは少ないのですが、一年前の春 訪ねてその静寂さ、大きさに驚きました。
厳か。。な空気が流れていました。
「鳩のいるお寺」「鳩見に行こう」って小さい頃親に連れられて行ったのでいつまでも「鳩」だけしか印象に残っていませんでした。
静かなお寺です。
もし京都に立ち寄った知人に時間がなかったら、せめてここだけは案内してあげるといいなぁと思いました。駅前にこんなにいいお寺があるんですもの。
御影堂の改修の様子を見ているとあまりに不釣合いな体育館のような建物だなぁと思いますが、あれって 改修している建物を覆ってるだけなんですってね。大きなカバーのような建物らしいです。
投稿: yume | 2005.06.11 21:23
睡蓮、
期待しているのですが
それなりの感じですか。
写真ではかなり綺麗に見えますよ♪
投稿: 松風 | 2005.06.11 23:21
☆ 遠野さん、拙い写真ですが、楽しみといっていただけて嬉しく思います。
リンクのほうは、わしの方は全くかまいません。ただ、こちらのほうはわしのずぼらで、ちっとも整備しておりませぬ(汗) また改めてこちらからもお願いするかと思いますので、その節はよろしく。
☆ yumeさん、鳩の餌を、門のところで売っていました。観光寺院では、鳩の糞を嫌って、まあ絶対に売ってないでしょうね。
御影堂は、屋根の曲線がそれはもう美しく、しかも東大寺大仏殿にも匹敵する巨大な日本建築、あのカバーが取れる日が待たれます。
☆ 松風さん、わしも実は、睡蓮を撮りに行くのが第一の目的だったんですわ(笑)どっかで、あっこも綺麗に咲いてると耳にしたもので・・・ひょっとすると、他の面の堀、あるいは枳穀邸のほうでしょうかね?
投稿: 龍3 | 2005.06.12 00:59