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2005.06.16

京の雪舟寺・芬陀院

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天得院で桔梗を見た後、近くにあるやはり東福寺塔頭の一つ、芬陀院(ふんだいん)を訪ねてみた。かねてから「雪舟寺」と案内が出ていて気になっていたのである。

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元享年間(1321~22)に、時の関白・一条内経が創立し、以来一条家の菩提所となっている・・・とのことで、建物は桃園天皇(在位1747~62)の皇后の御所を一棟下賜され、明治の末に改築したものだそうだ。

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さて、ここが雪舟寺と呼ばれるのは、画家として著名な雪舟が築いたと伝えられる庭園を持つからである。わしは最初、雪舟の絵があるものとばかり思って探し回った(苦笑)
作られたのはかの、応仁の乱の辺りで、長く荒廃していたものを、昭和12年(1937)から重森三玲氏が復元し、更に昭和30年代に白砂などを整備して往年の面影を取り戻したという。
写真右の亀を模した石組みは、夜中に這い回ったので雪舟が背の甲羅に大石を突きたてて動かないようにしたという伝説を持つ。枯山水としては京都最古で、雪舟が作った庭としては近畿で唯一残存、とのこと。

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その枯山水の庭も、閑雅でよろしいのだが、隅っこに建つ茶室が、わしの興味をいたく引いた。

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図南亭(となんてい)といい、茶道愛好家として知られる一条昭良が好んだものだが、宝暦5年(1755)に焼失。それを昭和44年(1969)に再建したそうだ。掲げられている額には、詩仙堂のあるじ、石川丈山の名が刻まれているではないか。

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茶室というものにあまり縁がないので、しっかりと見せていただいた。無駄のない空間に美的洗練が研ぎ澄まされていて、さすがである。

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そして、この茶亭の円窓が、なんとも印象深かった。ここから覗くと、なにやら別世界、異次元を見るような気がするから不思議だ。

知らなかった京都のベールを、またひとつめくることが出来たと嬉しかった。まだまだ京都には、わしの知らない世界が幾重にも待っているんだ・・・

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コメント

芬陀院は、雪舟の名前を冠する割にはかなり人が少なくて、天得院に行ったときはいつもワンセットでお参りさせていただいてます。

庭園が雪舟によるものかは、個人的には少々疑問を感じていますが、苔と石組の組み合わせが良くて、いい庭だといつも思います。

投稿: karesansui | 2005.06.16 13:06

karesansuiさん、「雪舟寺」というのは、もっと雪舟の絵などを所蔵して堂々と名乗っているお寺が山口とかにあるはず・・・と思ったのですが、案外ないようですね。
芬陀院はマジで参拝する人が少なく、わしが行ったときはろくに戸障子が開いてなくて、真っ暗でした(苦笑)その中を、『雪舟の絵はどこだ~』と探し回っているうちに、だんだんに戸が開いて枯山水の庭が見え始めた次第。
茶室が一番興味深かったのですが、東福寺や泉涌寺の塔頭、どこも静かで落ち着いていて、縁に座ってぼ~~~っと出来て良いです。

投稿: 龍3 | 2005.06.16 23:53


ラストの写真、お~~て感じですね。
東福寺を堪能されましたね!

投稿: 松風 | 2005.06.17 22:59

最初と最後の円窓、ネガポジですか~!?
「京都のベールをまたひとつめくることが出来た」の構成でしょうか^^
芬陀院の名前に記憶はあるのですが、だいぶ以前のことで、
その頃はまだ、どのお寺も同じように見えて、雪舟も趣きも、
全く思い出せないのが悲しいです。今度また訪ねてみます。

投稿: pastprella | 2005.06.17 23:39

☆ 松風さん、ラストの一枚、劇的効果を狙いました(^^) 「お~~」と言っていただけて思わずにんまりしてます。

☆ pastorellaさん、最初の写真は、窓の外の景色にピントと光量をあわせ、最後の一枚は窓の内側・室内にあわせて撮ったのです。
わしも、昔に京都をあらかた一巡したはずなんですが、記憶がいい加減でして、このblog始めてから改めて見直しておるような次第ですな。

投稿: 龍3 | 2005.06.17 23:54

「別館」の記事を少々直して、トラックバックしました。
是非ご一読いただければと存じます。

投稿: karesansui | 2005.06.18 11:56

私は有名所しか知らずにスルーしています。
皆さんのブログを見て勉強×2♪

今度行ってみたいです。
円窓。専門的なお寺の知識やカメラの知識はないですがいいですね。

投稿: rina-oha | 2005.06.18 20:18

☆ karesansuiさん、別館からのトラックバック、おおきに。以前にも読ませていただいておりましたが、的確にツボを押さえた文章ですね。わしの方は、主観と情感で頑張っております(^^)

☆ rina-ohaさん、わしもまだまだ勉強中です。有名どころも食わず嫌いでいってないとこばっかで(汗)
円窓は、結構あちこちのお寺にありますね。

投稿: 龍3 | 2005.06.19 01:30

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二番目と致しまして、東福寺芬陀院(ふんだいん)を取り上げます。 東福寺そのものについては、本坊の記事としてそのうち取り上げることもあろうかと思いますので、省略します。 さて、芬陀院の方に話を移します。 芬陀院は、一条内経が1320年頃に創建した、とされています..... [続きを読む]

受信: 2005.06.18 11:45

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