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2005.03.13

小説「流れのほとりで」第一回

kawaihasi

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 なだらかな山々に囲まれ、街中でも鮎が獲れる清流に潤された京都は、さながら全体が美しい庭園である。
 しかし、京都の幾つかの名園は、もともと墓地であったり、古墳の石組みを庭石に流用したという、知られざる一面をもつ。
 極楽浄土を地上に再現したと思われる庭が、実は地獄の上に築かれたものなのかもしれない。

 南原英輔(みなみはら えいすけ)は、疲れた足で、高野川に掛かる河合橋の欄干に寄りかかっていた。
 橋を東に渡れば、叡山電鉄出町柳駅の賑わいがあるが、川は暗く灯りを吸い込み、橋の西たもとは北方の糺の森の闇に繋がっている。
 二月の末、観光客の最も少ない京都。英輔はコートの衿を立てて、煙草の煙を吸い込んだ。三十代に掛かろうとしている男の顔が、火口に照らされて浮かぶ。
「遅いな・・・」
焦れた言葉が漏れる。寒風に背を向けて、英輔は歯噛みした。こんな場所を待ち合わせに指定した相手にも、それに従うしかない自分にも腹が立っていた。
 そして、腹が立つといえば・・・この橋の上から見る光景だと、英輔は思う。今は夜の闇に隠されているが、高野川の左岸、つまり東側と、その反対側は、あまりに対照的だからだ。
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☆例によって、構想不足のまま、強引に書き始めます。流れの行方はまだ、わしにもわかっておりませんが、できるだけ鮮烈に、わかりやすく、面白く、そして、少々痛い小説にしたいと思います。よろしく!

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コメント

第1回、読みました。「出町柳」とか、「糺の森」とか、ちょっとだけ京都に住んでいた私にとって、懐かしい響きです。橋の写真も、いいですね。昔、下鴨の下宿そばの出雲路橋のたもとにあった電話BOXで、100円玉をたくさん用意して、あのころの彼に電話していたのを思い出しました。

投稿: 妹子 | 2005.03.13 22:27

第1回、読みました。第2回楽しみにしてます。あんまり痛くしないでくださいね(笑)やっと16歳になったばっかりなので…。

投稿: 姪子 | 2005.03.13 22:37

>妹子さん、コメントおおきに!
すっかりケータイの時代になってしまって、電話ボックスもご無沙汰ですが、あの頃の思い出の数々は、今もきらめいているのでしょうね(^^)

>姪子さん、コメントおおきに!
16歳になられたとのこと、おめでとうございます。
根が甘いわしのことですので、精一杯痛くしようとしてもたいした事はないでしょうが、がんばってみますわ(^^;)

投稿: 龍3 | 2005.03.14 22:59

小説のスタートが葵橋でなく、河合橋であるところがまた粋ですね。
近くに河合神社もあるところですね。

これからが楽しみです。

投稿: yume | 2005.03.16 21:26

yumeさん、力づけてくださっておおきに!
この小説は、わしにとって、「書かないと前に進めない」モノなんで、頑張ります。

投稿: 龍3 | 2005.03.16 23:45

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