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2005.03.26

智積院・障壁画&庭園篇

最初に断っておきますが、智積院所蔵の、国宝である障壁画の数々は、特別に建てられた収蔵庫に収められていて、見学は可能ですが撮影することは出来ません。下の写真は、それらがかつて飾られていた大書院ですが、絵はすべて模写です。

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収蔵庫は照明を暗く抑え、空調の音だけが響く静寂の空間。
絵の迫力は、素晴らしいもので、太い幹を豪快に描いた松と、葉の緑の鮮やかさが、金の襖に鮮烈である。
長谷川一門の総帥、等伯の筆の勢いは凄まじく個性的。夭折した息子久蔵描く桜の図は繊細にして優美。
だが、歳月のもたらす絵の具の剥落や色褪せが傷ましい。そして、様々な事情から、これらの絵は元の四分の一の大きさしか残っていないのだそうだ!
更に口惜しいのは、絵の前に無骨な柵がどっかりと据えられていて、座った位置からでは絵がちゃんと見れないのである。絵に触られるのを防ぐには仕方ないかもしれないが、元の大書院に飾られた姿を見たい!
と思って、大書院に行くと、鮮やかに模写した絵が飾られていた。が、本物の迫力に遠く及ばないのは言うまでもない。あくまで、「描かれた当初はこんな雰囲気か・・・」という参考になるだけである。畳も真新しくて、どうも雰囲気がいまいちであった。

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しかし、その大書院の庭園は素晴らしい。
説明を読むと、かなり狭いものらしいのだが、土を盛って背景の東山に雄大に連なり、池は建物の床下までも食い込んでいる。

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植木の刈り込みの大胆さが見ものだ。

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濡れ縁の上にカメラを置いて、シャッターを押してみた。
いつまでも見飽きない庭であったが、サツキが咲く頃は殊に美しいそうである。

庭の美しさに満足して、講堂のほうへ回ると「四国八十八箇所霊場お砂踏み」というものをやっていた。(期間限定特別行事らしい)
お遍路さんが回る八十八箇所のお寺の砂が、一箇所ごとに袋に詰められて一室に置いてあり、その一つ一つを礼拝して踏むことで、八十八箇所巡りをしたのに似た功徳を授かる、というもの。案内役の若いお坊さんに勧められ、何事も体験と思ってやらせていただいた。20分くらいはかかったが、なにやら身体が温まり、心が充足したのは確かである。

このお寺は、もともと豊臣秀吉が、幼くして失った子・鶴松の供養にと建てた「祥雲寺」を、徳川家康が奪って、秀吉に焼き討ちに遭った根来寺に与え、「智積院」になったといういきさつを持っている。しかしそんないわくは、翳りとならず、残った絵は桃山時代のたくましい生命力を伝え、境内は明るく伸びやかだった。

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