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2005.01.11

祇園始業式・後記(反省と表明)

先の記事でも書いたが、1月7日の祇園・花見小路でのカメラマンの殺到ぶりは、始業式へと向かう芸妓さん、舞妓さんたちへの多大な迷惑であり、花街の行事そのものに重大な支障を与えていたと思われる。
わし自身、迷惑を与えた一人として責任を感じる。
あそこにいたカメラマンのほとんどが、わしより年配の、分別盛りの方々だった。だが、同好会・サークル仲間と思われる人数で大挙押し寄せ、車の通行は邪魔するわ、向い側の家の塀際に登るわ、その行状は目に余った。さらに、芸妓さん、舞妓さんたちがやってくると、もう他のことは目に入らない。他人を押しのけ、被写体に突進するのである。道に立ちふさがる無数のカメラマンに、芸妓さん、舞妓さんたちは恐怖を感じたに違いない。なにしろ、お茶屋から出るに困難なほど「出待ち」をしているのだ。
そのような行状は、わしとて同様だった。いいアングルで写真を撮ろうとする、本能みたいなものに突き動かされて、前に立つほかのカメラマンの間に、身体をねじ込んでいたのであった。

そうやって撮った写真を、得意げに公開したものの、どうも頭が冷えるに連れ、忸怩たる思いが増す。
素人のへたくそな写真ではあるが、これに触発されて、花街の行事に写真を撮りに行こうとする人が増えたら、罪は大きい。
よって、熟考の結果、ここに表明する。
今後、芸妓さん、舞妓さんたちの写真を、街角で撮る事はしないし、blogに掲載もしない。

被写体としての芸妓さん、舞妓さんは、そりゃあ、とても魅力的である。
彼女らを思う存分に撮ることの出来る撮影会も、数多く開かれているようだ。
例えば「全日写連府本部主催・恒例の新春舞妓撮影会」、というのが23日に松尾大社であると、後援している朝日新聞に広告が載っていた。おそらく意図したことであろうが、祇園の始業式の記事と写真を載せた、同じ紙面に。入会金500円、年会費5000円を払えば、その場で入会させてもらえるとのこと。プラス当日の会費、1500円。
お願いですから、高級な機材を抱えたカメラマンの皆さん、こういう場で撮影してくれ。

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コメント


なるほど
ワイドショーのカメラマンが
タレントを撮るような雰囲気だったのでしょうか。
それを認めて反省するあなたは
素晴らしいですね。

投稿: 松風 | 2005.01.11 22:31

松風さん、コメントおおきに!
まさに「ワイドショーのカメラマンがタレントを撮るような雰囲気」でしたね。
で、そのような雰囲気を作る側に回っていては、もはや京都に関して語る資格はないと思い、このような決意表明をしました。過分なお褒めの言葉には恐縮です。

投稿: 龍3 | 2005.01.12 00:13

こんにちは、龍3さん。

祇園始業式・後記(反省と表明)、読ませていただきました。

観光とは何なのか?観光を伝える側の人間はどうあるべきか?なかなか難しい問題ですね。

「しきたり」や「年中行事」は、そこに住む人々にとっては、生活の一部であり、欠かすことのできないものです。

しかし、それを見る人にとっては、目の前で行われている出来事であり、物事なのです。そこには、それに対する歴史的背景や、重みや、思いや、心がない(薄い)場合が多いのではないでしょうか。

「京都」を伝えるのではなく、「京都の心」を伝える。私が常日頃、自戒の念を込めて自分に言い聞かせている言葉です。

他のカメラマンは、祇園始業式、祇園の歴史と伝統を知っていれば、おのずと行動は変わっていると思います。写真は伝える手段の一つではあるが、決して目的ではないと思います。

龍3さんのような「心」を持って、舞妓さんを街角で撮れば、それはどんなに素敵な写真になるか、わかりません。心がこもった写真になるから・・・。

これからも楽しみにしています♪ 涼

投稿: | 2005.01.12 12:59

涼さん、コメントおおきに!
「『京都』を伝えるのではなく、『京都の心』を伝える」
真摯で奥深いお言葉だと思いました。
知識と美を貪るだけでなく、「心」を持って、これからも京都に向かっていくつもりです。

デジカメを買って、そしてblogを始めて、写真を意欲的に撮るようになり、素人の怖いもの知らずで無茶をやっているわしですが、写した画像にはこちらの心や品性が滲んでしまうものですね。
「素敵な写真」がお見せできるよう、心を磨いてゆきます。

投稿: 龍3 | 2005.01.12 14:01

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