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2004.10.27

小説・残光・第五十一回

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 竜生は、信じられないといった顔で首を横に振る。
「健二、おまえまで、景子の妄想に浮き足立つことあらへんやろ。やさがし、やて?先生の家に、詩織の死体が埋まってるとでも言うんか?頭冷やせや」
「鍵を持ってるのか、持ってないのか、答えろよ」
 健二は、竜生の言葉を聞き流して迫る。竜生は椅子に腰を落とし、顔を下に向けて口をつぐむ。健二は足音荒く、病室の出口に向かう。
「鍵がないのなら、かまわないさ。戸をぶち破って入らせてもらう」
決然とドアを開けた健二の背中に、竜生の呻くような声が響く。
「待ちいや・・・待て、言うねん。俺は、先生の遺言を、預かってる」
「なんだと?」
健二は振り返り、駿と顔を見合わせる。竜生は顔を伏せたまま、喋り続ける。
「ふた月くらい、前のことや。景子の麻薬中毒のことが伝わってきて、先生は俺を呼んだんや。もう、よう喋れへんようになってたけど、意識はしっかりしてた。で、遺言や言うて、俺に渡した。死んだら・・・健二や駿や、真那も呼んで、開け、てな」
 健二は竜生に歩み寄り、肩をつかむ。
「その遺言、今、持ってるのか?」
竜生は、健二の腕をつかみ返し、鋭い目で睨む。
「先生は、まだ生きてはる。まだ、見せるわけにはいかへん。俺かて、中身は見てへんのや」
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コメント

この小説も連載50回を越えて、タイトルも、これで定着して良いと思えるようになったので(仮)を外します。

投稿: 龍3 | 2004.10.27 15:15

をっ、「仮」がとれて、「残光」を本タイトルでいくんですね。
 彼らの、詩織の、過去に何があったんでしょう?先生の遺言には、何が書かれているんでしょう?

投稿: Bach | 2004.10.28 04:41

Bachさん、コメントおおきに!
タイトル、どういう風にすべきか、読んでくださってる方々に募ったりしようかとも思いましたが、「残光」で行こうと思っております。もっといいタイトルありましたら、教えてください(こらこら^^;)

投稿: 龍3 | 2004.10.28 10:35

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